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伊藤比呂美考

私が伊藤比呂美さんの詩に出会ったのは10代のとき。
当時「鳩よ!」という詩の雑誌があって
その創刊号(だったと思う)に掲載されていた伊藤さんの詩がものすごくて
世の中にはこんなひとがいるのだと衝撃を受けたのです。
(内容は忘れた・・・・肉の塊の写真とともに詩があった。たぶん)


でもそれ以来、愛読書は伊藤比呂美詩集 となったわけではなく
ときどき思い出す程度だったんだけど
先日久しぶりに図書館で伊藤さんの本を見つけて読んだんです。
タイトルは「父の生きる」。
父の生きるって変じゃないですか。
父を生きる 父が生きる 父も生きる 
とかならわかるけどさ・・・。

これは詩集じゃなくて
伊藤さんがアメリカからお父さんを遠距離介護した話なんだけど
(1~2か月に1回10日間くらいアメリカから熊本に帰省して介護する。
普段はヘルパーさん数人体制で世話をしてもらっている)
まあせつないことせつないこと。
死ねないお父さんもせつないし
不満をぶつけられてもどうしようもない伊藤さんのせつなさもたまらん。
いやだいやだと思いながらアメリカから熊本のお父さんに毎日電話する。
何もすることがないのに死ねない
体の具合が悪い、転んで痛い、下痢が止まらない
そう告げられてもどうしようもない。
その辛さたるや・・・読んでいてたまらない。
でもいくら嫌でも電話しないわけにはいかないのです。
だって親だから。


そうしてお父さんは伊藤さんが熊本にいるときに亡くなったんだけど
お父さんが亡くなって初めて自分は本当の大人になった気がするって。
伊藤さん58歳の十分な大人なのに。
だけど、その気持ち本当にわかる。
自分を守ってくれる(実際はもう守る力もなにもなくても)親という砦がなくなったときに初めて大人になる、ということ。

老いること、じわじわと弱ること、死んでもいいのに寿命があること・・・。
自分ではどうしようもなく
誰もどうしようもないことの中で
私たちは生きていくわけですね。


やっぱりこの本は「父の生きる」でいいんやわ。


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Commented by ダンスです! at 2014-08-18 12:50 x
考えさせられますね。。。
本当の大人になったときこそ一番寂しさを感じるのかも。。。
58歳で立派な大人だったとは知らなかった^^
いつもあんたは子供だと怒られてばかりだからwww
Commented by flowerprint at 2014-08-18 16:48
あ、これ女性の話ですから。基本的に男性はいつまでたっても子どもかもねえ・・・うーん。
by flowerprint | 2014-08-13 20:32 | わたしとか | Comments(2)